第681回 DMOを社会のど真ん中に!

僕のコラム、第665回「地域創生のカギ」と題して、日本版DMOについて書いたのが1月だった。

DMOとは、Destination Management/Marketing Organizationの略。

ここで言う Destinationは「目的地,行き先,到着地」の意味である。

それから約4か月が経過、この間僕も、至るところでDMOの必要性を訴えてきた。

従来の観光の枠組みを超え、多彩なプレイヤーの連携による、地域を挙げた魅力づくりをめざす取り組みの中で、中心的役割を果たす組織、それが日本版DMOだろう。

これは単なる観光施策の推進ではなく、地域における街づくりイコール地方創生の柱であり、あらゆる施策の主軸、つまり社会のど真ん中に置かれるべきものであるというのが僕の主張である。

 

観光庁を中心に、平成27年11月に「日本版DMO候補法人」の登録制度が創設され、平成28年2月には第1弾として、24の候補法人が登録され、つい先日の4月22日付で、第2弾となる37の候補法人の登録が行なわれた。現在合計61法人の候補が決まっている。

今後、登録された法人及びこれと連携して事業を行う関係団体に対して、関係10省庁(観光庁、国土交通省、内閣官房、総務省、金融庁、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、環境省)による「『日本版DMO』を核とする観光地域づくりに対する関係省庁連携支援会議」による支援策が展開される。そして先般、この支援会議による連携事業の第一弾目となる支援の内容が発表された。

 

支援メニューの内容は、ソフト関連の事業もあればハード関連の事業もあり、多岐に渡る。

[1]まちの魅力を向上したい! [2]まちの魅力を発信したい! [3]まちの基盤を整備して魅力を向上したい! [4]特例措置を利用してまちの魅力を向上したい! [5]地域の人材を育成したい! [6]外国人を活用したい! 以上の6つのテーマに分れた全部で43種のメニューが準備された。

たとえば・・・●「地域資源を活用した観光地魅力創造事業」 (観光庁)

地域の観光資源を、世界に通用するレベルに磨き上げるための地域づくり施策や受け入れ態勢、二次交通などの整備を支援 予算額:3億3800万円 補助率:上限1/2。

DMOへの活用方法:来訪者のニーズ把握のためのマーケティング調査、地域人材の育成・研修、これらと一体的に実施する事業としてモニターツアーの催行等 ほんの一例である。

 

更に、新型交付金なる補助金が豊富にある。

補助金の今までの経緯は、最初平成26年度の補正予算で、総額1,700億円の「地方創生先行型交付金」が実行された。2番目のステップにあたるのが、平成27年度の補正予算1,000億円が計上された「地方創生加速化交付金」、これについては、既に平成28年2月で自治体からの申請を締め切っており、3月18日に交付対象事業が決定した。

そして平成28年度に申請受付がスタートする新型交付金「地方創生推進交付金」。平成28年度の概算要求額は1,000億円、事業費ベースで2,000億円程度が見込まれ、都道府県は1事業当り事業費ベースで4億円、市区町村は1事業当り事業費べースで2億円が助成の目安となるようである。

 

正に国策!今までの再開発・活性化の、いくつもの失敗を教訓に、地方のボスが試される時である。

今こそ地域のリーダーが、積極的に動く絶好のチャンス! そうでなければ、街は何も変わらない。

PDF版はこちら

2016年5月15日IKG(~飯島経営グループ)
カテゴリー:飯島賢二のコラム


このページの先頭へ