16年度全国の平均借入金利は1.43%で9年連続低下

経営関連情報 – 2017年11月17日

 

 帝国データバンクがこのほど発表した「全国・平均借入金利動向調査」結果によると、2016年度の全国の平均借入金利は1.43%で、前年度比0.10ポイント減となり、全ての都道府県で低下している。5年前の2011年度比で0.34ポイント減、10年前の2006年度比では0.68 ポイント減。過去10年の推移をみると、2007年度(2.21%)をピークにその後は一貫して低下を続けており、2016年度まで9年連続の低下となった。

 同調査は、同社保有の企業財務データベース(81万社収録)を用いて、都道府県別の平均金利を算出し、時系列での推移を集計・分析したもの。借入金利は、有利子負債に対する支払利息の割合。主な背景としては、各地の人口減少といった構造的な問題の影響に加え、日本銀行による金融政策などを背景として同業者間の競争が激化したことで、全国的に低金利環境の長期化が続いているものと分析している。

 2016年度の平均借入金利を都道府県別にみると、最も低かったのは「香川県」の1.20%(前年度比0.13ポイント減)で、全国平均(1.43%)と比べて0.23ポイント低い水準。また、最も高い「秋田県」(1.87%)と比べると0.67ポイント乖離。これは、香川県内におけるメガ、地銀、第二地銀、信金等による競争激化のほか、大口融資先の減少等を背景に、他の都道府県に比べて激しい金利競争が続いたことなどが影響したものとみている。

 以下、2位は「愛知県」(1.22%)、3位は「和歌山県」(1.25%)の順。いわゆる「名古屋金利」で知られる愛知県は、全国で唯一、地銀(第一地銀)が存在せず、第二地銀と多数の信用金庫による激しい競争環境が長年続いていることが、全国的にみても低い金利が続く背景にある。他方、「秋田県」を始め、「山形県」、「岩手県」(ともに1.73%)など、東北地方の各県では平均借入金利が高い傾向がみられる。

 2017年3月期決算をみると、顧客向けサービス業務の利益は過半数の地銀でマイナスとなり、前事務年度の推計・試算(2025年3月期には約6割の地銀で当該利益がマイナスになるとの試算結果)を上回るペースで減少していることが明らかになった。持続可能なビジネスモデルの構築が課題とされ、過度な金利競争からの脱却が急務とされるなか、今後も各地の金利水準の動向には継続的なモニタリングが必要となるとしている。

 

 

同調査結果は↓
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p171102.pdf

 

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2017年11月20日IKG(~飯島経営グループ)
カテゴリー:税理士法人IKG


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