第682回 『文春』の一人勝ち!

毎日、朝4時くらいからテレビのニュース番組を見ている。

全く不要と思うほど多くの女子アナが、早朝からキャキャとうるさい民放各局は、みな似たり寄ったりで、朝からうんざり。

国営放送(?)の「大人の落ち着き」を求めて、ついチャンネルを回してしまう癖がついている。

民放各局は、とてもニュースとは思えないような情報を扱う「エンタメ」なるコーナーがある。

エンターテーメントの訳だそうだが、訳すほど長くはない、要は芸能ゴシップ記事だ。

人のプライベートを覗き込み、下品な噂話に興じること、昔は「デバ亀」といい下劣な行為とされたが、今どきは国民的な「ニュース」として扱われている。

世にテレビが登場した直後今から59年前、テレビ時代の弊害を看破したと言われている社会評論家の大宅壮一氏、彼が予言した通り、「一億総白痴化」が、見事に定着した証であろう。

 

ベッキーと紅白出場のゲス男との不倫疑惑、甘利経産大臣(当時)の金銭授受問題、SMAPの存続条件を事務所首脳が実名告白、宮崎衆議院議員(当時)の不倫、神戸連続児童殺傷事件の元少年Aを直撃取材、清原和博、覚せい剤所持容疑で逮捕、巨人野球賭博、4人目の関与、人気コメンテーターのショーンK氏の学歴詐称疑惑・・・・記事の中身は皆下品あるいは犯罪そのものだが、大ニュース、スキャンダルがとどまることを知らない。そして、その元ネタは、ほとんどが週刊文春である。

私自身、ゴシップ、スクープと言えば「FRIDAY」というイメージがあったが、『週刊文春』がそこまでスクープを連発する週刊誌であるというイメージはなかった。

 

『週刊文春』の出版は、あの菊池寛の名門「文藝春秋社」。1959年(昭和34年)4月創刊。日本の出版社系週刊誌では1956年創刊の『週刊新潮(新潮社)と並ぶ老舗。

「新聞・テレビが書かない記事」を書く週刊誌というスタンスをとる。

日本雑誌協会によると発行部数698,167(2014年9月)で、一般週刊誌で10年以上発行部数トップを独走している。この潤沢な財政基盤は、「取材費をケチらない」という環境を作った。経費をちゃんと使えるから、優秀な記者が他のメディアから集まってくるだろう。この出版不況の中唯一豊富な取材費を確保できている文春ならではの状況が、スクープの連発ができる原因の一つとなっている。

そんな方針を豊富な陣容が支える。編集部は約60人の所帯を維持し、うち40人がスクープ取材にあたる特集班。毎週の会議で1人5本のネタ出しが課せられ200本が集まる。大きなネタでは10人近い取材班を組み「長期取材のために“潜る”」(新谷編集長)。250日間追跡し神戸連続児童殺傷事件の元少年Aにたどり着いた記事(2月25日号)はその一例のようだ。

 

週刊文春は日本記者クラブに加盟していない。

権力に迎合することなく政治家のスキャンダルをすっぱ抜くことに、なんの躊躇もなく、実践していくことができる。今の週刊文春には、まさに「タブー」がない

「タレコミというのはタブーなきところに集まる」のだそうだ。読者からの情報提供サイト「文春リークス」への投稿数(タレコミ)も、今年は昨年末比5倍を上回るペースになっているようだ。

当然、情報に対するマージン(タレコミ料)が他誌に比べて割高が強みとなっている。

文春の一人勝ち! まだまだ続きそうである。  有名人でなくてよかった♡♡♡

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2016年5月22日IKG(~飯島経営グループ)
カテゴリー:飯島賢二のコラム


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