先日、僕の高校時代の友人が突然離婚した、というか『させられた』が正解か、
この歳になってなぜ…?と言わざるを得ないほど、仲が良かったように見えた。
最近日本でも、1分49秒に1組が離婚するといわれている。
「離婚率」でみてみると、1970年は9.3%でおよそ10組に1組が離婚しているのに対し、
2013年では35.0%にまで上昇、なんと3組に1組が離婚していることになる。
若年層の離婚率がかなり高く、19歳以下の女性では約60%、20~24歳女性でも40%を超えている。
婚姻歴20年を超える50~59歳の離婚率の増加が著しく、「熟年離婚」という言葉も一般化してきた。
離婚が増えているようだ。
僕も、離婚に関わる仕事を、かれこれ10年以上やってきた。
参与員制度というものがあり、以前このコラムでも詳しく書いた。(2014年.6月第582回「参与員」参照)
裁判員制度よりはるか昔からある制度で、家庭裁判所における離婚訴訟などの人事訴訟事件の裁判の公判に立ち会い、率直な意見を裁判官に述べる。離婚裁判で、判事席の右陪審に座り、上から法廷を見下ろす行為は、一般人にとり中々体験できるものではない。
実は離婚を法廷まで持ち込むこと、我国ではかなり稀な事案で、裁判離婚は全体の1%に過ぎない。
裁判ではさすがに「両者譲らず」、原告も被告もその代理人たちも、恐らく平気で嘘を言い、敵対心むき出しのせめぎ合いが展開され、法廷内は異様な空気に包まれる。
良い意味で開き直らない限り、素人ではやっぱり、耐えづらい。
『喧嘩したとき、この子をご覧、仲の良い時、出来た子だ』・・・・粋な都々逸がある。
「子は鎹(かすがい)」と昔から言ったもので、夫婦仲が悪くても、子への愛情のおかげで夫婦の縁を切らずにいれる、子が夫婦の縁を保ってくれるということのたとえがあった。
でも、子が巣立ちした後は、それもダメというご時世になった。
少し生意気なことを言ってみる。
夫婦関係は、上下関係、主従関係ではなく、対等なパートナーとしてあるべきものだ。
結婚するまでの20数年間、結婚して子供が育ち、熟年夫婦として二人だけが残った今、
独身でいた時の数倍の人生を二人で歩んできたはずだ。
ここまで来られたのは、パートナーのお前と、一緒につくってきたものがあったからだ。
まさしくそれは、二人でつくったものだ。
長い時間一緒にいると、最初の頃の新鮮さは、なくなっていくかもしれない。
でもそれと違う、何かができるから、ずっと一緒にいられたのだと思う。
最初の頃の新鮮さは、お互いが感じたものだけど、
それと違う何かは、お互いがつくったもの。育んだものだ。
それがあるからこそ、きっと、ずっと一緒にいられるのだと思う。
最初の新鮮さを忘れないことも大切だけど、
二人でつくったものを確認し合い、大切にしていく方が、もっと大切なのかもしれない。
(参照:『思わず涙する感動秘話』)
2016年6月5日
カテゴリー:飯島賢二のコラム