第688回 僕も今日から、その仲間になった

帰宅したら机の上に「介護保険被保険者証」が置いてあった。

家内に「誰の?」と尋ねた。「名前を見てください、お父さんのですよ…」僕の名前が書いてあった。

介護とは「するものだ」とずっと思てきたが、今日からは「される」側になった。

 

65歳以上の人口は2015年9月時点で3,384万人、総人口に占める割合は26.7%だそうだ。

65歳以上の人を統計的に「高齢者」と呼んでいる。

人口に占める高齢者の割合を「高齢化率」と呼んでいる。

2016年の時点では概ね4人に一人が高齢者であり、高齢化率25%の社会となっている。

このまま推移すると日本は2035年には3人に一人が65歳以上の高齢者、高齢化率34%以上の社会になる。第二次ベビーブームに該当する1971年から1974年生まれが、高齢者に至る2040年には、高齢化率は36.1%になり、そして2060年には2.5人に一人が高齢者、高齢化率40%の世界に突入すると推定される。

世界の高齢化率を比べてみると、日本の今の高齢化率25%以上は断トツだ。

2位のイタリア・3位のドイツは21%台、4位のギリシャから、フィンランド、スウェーデン、ブルガリア、そして8位のポルトガルまでは、いずれも19%台であり、日本は高齢化の圧倒的トップランナーとして、未知の世界に最初に突入していくこととなる。

 

僕はあまり実感がなかったが、現在の日本はもう、「高齢社会」に入っていること、改めて知った。

たとえば、業界大手ユニ・チャームのおむつの売上高は、2012年に大人用1,590億円、子供用1,530億円と、既に子供用のおむつより大人用のおむつの売り上げが多い。

首都圏の市営バスに昼間に乗るとほとんどの乗客が70~80代くらいの老人という事実。

テレビを見ているのは高齢者。高齢者は若者の3倍近くの時間をテレビを見て過ごしており、その時間は4~6時間という生活時間帯調査がある。

新聞に関する調査がある、それによると10代は10人に一人も新聞は読んでいない。20代も就活が無ければ同じようなものだ。一方、70代男性の8割近く、60代の7割近くが新聞を読んでいる。新聞は引退した男性が読むものだといっても過言でない実態が鮮明にされた。

よく新聞などで、社会保障の伸びは年間1兆円とよく言われているが、実際は平成15年の社会保障の給付額は84兆円、平成25年は110兆円なので10年間で26兆円、実際は2.6兆円/年の割合で増えていることが分る。

高齢社会での直接的な問題は介護の問題だ。団塊の世代が後期高齢者になる2025年、今の制度で介護士を育成しても30万人以上の介護士が不足するといわれている。

そして選挙制度、現在の政治の枠組みも高齢化の波にのまれようとしている。民主制に従うなら、「シルバー民主主義」は当然の結果を「是」とするならば、高齢者は若者の2倍の人口があり、かつ投票率は若者2倍になっている。若者4倍の力を持つ高齢者に向いた政治が行われるのは仕方のないことと諦めるか?でも、「あと10年で自民党員の9割が他界する」という予測もある。

日本社会が直面する「高齢化率が30%超の社会」、

いずれも今すぐにでも手を付けなければならない問題だが、残念ながら手つかずの状態のようだ。

そんな中、僕も今日から、その仲間になった。

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2016年7月3日IKG(~飯島経営グループ)
カテゴリー:飯島賢二のコラム


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