アベノミクスの矢が放たれている筈だが、こと中小企業に限って言えば、「景気が悪くてモノが売れない」という話を、いまだによく耳にする。
売れるところは、環境が悪くても、そこそこ売れている。売れないところは、環境が良くても、苦戦する。どちらも皆、一所懸命がんばっているのに、なぜ、こんなにも成果に差が出てしまうのか…今回はその回答を考えてみたい。
成果に差が出てしまう、これは、どうもタマタマではないらしい。
一昔前のマーケティングは、商品が売れる方程式=「魅力(charm)」×「アプローチ(approach)」×「タイミング(timing)」の3つ要素の掛け算だった。
魅力ある商品があって、お客さんが欲しいと思う時に、商品の魅力を上手く伝えれば、お客さんは納得して商品を買ってくれた。つまり、商品が売れた。
でも、今は違う。なぜか・・・・・・・?
…今やその3要素の掛け算は、どこの会社でもやっているからだ。
当り前になっており、どこでもやっていることをやっても、差はつかない。
差がつかない中で競争すると、あとはどれだけ安いか…という価格競争になってしまう。
でも今は、「地域で一番安い」は、強みにならなくなった。
なぜなら、インターネットの存在があるからだ。
いつでも、どこでも、瞬時に全国で一番安い店を知ることができるからだ。
日本一安い値段をつけない限り、強みにはならない。
そう考えると、価格で競争するのには限界がある。
では、これからは、どこで差がついてくるのか?
その回答は、新たな4つめの要素=「ハート(heart)」を実践できるかどうかに係っているようだ。この第4の要素を「顧客感動」と呼ぶ。
「顧客感動」の考えを、社長をはじめ、全従業員に、どれだけ浸透させることができるかが、キーポイントになるはずだ。
「感動」という要素を加えた、4つの要素の掛け算=
「魅力(charm)」×「ハート(heart)」×「アプローチ(approach)」×「タイミング(timing)」を頭文字をとって、「CHAT(チャット)の法則」という。
注意したいところは、掛け算だから、どれか1つでもゼロがあったら、答えはゼロにしかならない怖さがある。つまり、商品は売れない。「CHAT(チャット)の法則」を有効的に活用させるためには、4要素すべてに、同時に気を遣わなければならない!
2016年9月11日
カテゴリー:飯島賢二のコラム