夏休みに突入すると同時に、ロンドンオリンピックが開幕した。
柔道より始まり、競泳、サッカー、体操と日本の活躍が目覚ましい中、こんな話を聞いた。夏休みに入ったにもかかわらず、例年は満室のこの時期に満室にならないというのである。
もちろん、昨今の予約傾向が直前の予約が多い状況から鑑みると、その後すぐに満室になったのかもしれないが、この状況の要因の一つにロンドンオリンピックをあげている。
つまり、夏休みに突入し、レジャーシーズンなのだが、ロンドンオリンピックの影響で、自宅で応援・観戦しこの時期外に出ないのである。
もちろん、酷暑など他にもさまざまな要因があるであろうが、かつてサッカーワールドカップの時や、ワールドクラシックベースボールの時も同じような現象が起きている。
しかしながら、ロンドンオリンピックを上手に組み入れている宿泊施設もある。
その施設では、大きなテレビを食堂に設置し、宿泊客と一緒に観戦・応援するプランを考案し、この時期満室になっている。
ここから導かれるように、あらかじめ想定できるものをしっかりと考慮し、対策を立て、それを営業に活かし売り上げをあげる。
経営戦略をしっかり立てることが重要ということである。
現に、ロンドンオリンピックをしっかりと想定していた宿泊施設はそれに沿ったプランを構築し、しっかりと売上に結びつけている。
この経営戦略を立てる上で大きな指標となるものの一つに数字がある。
昨年と対比すること、他の同規模宿泊施設と比べるなど様々な指標はあるが、今回ここでは、『管理会計』ということをあげていきたい。
管理会計は戦略構築のために、未来のために行う会計のことである。
宿泊施設には他の業種とは異なる会計になる部分がある。
たとえばクーポンなどがその例にあたる。
ここで、クーポンを例にとって管理会計から、営業戦略構築の流れを考えてみる。
まず、クーポンの各業者別の値をしっかり把握する。
これだけでも大きく違う。これにより、どの業者からの効率が良いかがはっきりし、この数字を前年と比較することにより傾向が表れる。
さらには、直接営業とエージェントの比率、営業に投資すべきか否かなどが考えられる。
次回より、この管理会計を具体的に考えていきたい。
| 2012年10月17日|
今回は業務内容の見直しについて考えたい。
そんなことを云うとこれをお読みの皆さんは、「そんなことはとっくに取り組んでいるよ。」と思われるかも知れない。
それぞれの部署でオペレーションマニュアルを作成し、従業員に渡し説明はしていると思う。
しかし、それを統計的に数値化しマニュアルの実行効率を求めているところは少ないと思う。
実行効率を高めることが人件費のコストダウンにつながる早道である。
これは、実稼働率を上げることである。
稼働率というと施設や部屋の稼働率を想像すると思うが、ここでは従業員さんの仕事の稼働率のことである。
この考え方は、自動車の組立て生産ラインなどで実際に取り入れられている。
全ての作業員の稼働時間と不稼働時間を数値化し、実稼働率向上を極限までに追い求めているのである。
実稼働時間は、実際に手を動かし組立て作業をする時間のみを言い、部品を取ったり作業のための移動時間は含まれない。
秒単位で作業分解し、徹底的に時間の短縮を目指しているのである。
そのためには治具・道具・部品などを徹底的に作業員の近くに置き、手を伸ばす距離を最短にし、手で物を取る作業の時間ロスをより短くしたり、部品の供給も途切れることの無いよう専門の部品供給員を置き、無くなる寸前に供給する。
トイレに行くのでさえラインを止めないように交代要員が手を上げた人の所に入り、交代をしてラインを動かし続ける。
これを毎日繰り返す訳だから、何時に新しい部品を工場に納入する必要があるのかが把握できる。
「カンバン方式」も可能になるわけである。
では実際に旅館業やサービス業でそんなことが可能なのであろうか。
製造業並みの稼働率向上は難しいであろう。
それは、朝から晩まで同じ作業を一日繰り返す従業員がいないからである。
しかし、各従業員さんの1日の仕事内容を分解し、できる作業から取り組めば可能になる。
特に繰り返しの多い作業や、客室の清掃作業のように時間設定が可能な作業は実稼働率の向上ができる。
一見難しそうな話ではあるが、従業員の実稼働率を高められれば、人員を他の作業に当てたり人員の削減につながり、人件費コストの低減につながるはずである。
こんな発想で内部の稼働率を上げることを考えてみてはどうだろうか。
| 2012年10月17日|
第三回では、HPに見込み客を連れて来るための「SEO対策・リスティング広告」についてご紹介した。
「いま一度ホームページを見直す」をテーマにした最終回となる第四回は「アクセス解析を使った現状の把握と今後の改善」についてご紹介したい。
すでにアクセス解析を導入されているところは少なくないと思われが、集客にうまく活用できているだろうか。
「アクセス解析」とはHPの現状や改善点を把握するうえで必須のツールである。
単にホームページに訪れた人の数を示すだけでなく、どこからHPに辿り着いたのか、どんなキーワードを検索エンジンに入力してHPを見つけたのか、HP内のどのページを見て回ったのか、初めて来たのかリピーターなのか、パソコン見たのか携帯なのかなど、様々な情報を正確に数値化して記録してくれる素晴らしいツールなのだ。
アクセス解析の代表格としては「GoogleAnalytics(グーグルアナリティクス:以下GA)」が有名である。
これほど多機能なのにも関わらず、無料で利用できるところも人気の理由である。
GAの導入はとても簡単だ。
無料のアカウントを登録後、発行されるタグをHPの全ページに貼り付ければ準備完了である。
後は自動的にアクセス状況を記録してくれるため、インターネットの環境さえあれば、いつでも閲覧が可能になる。
GAにはたくさんのメニューが存在するが、日頃からチェックしておきたい項目は限られているため、すぐに慣れるだろう。
GAを導入して一定のデータが集まってきたら、今後の改善についても検討したい。
ここで覚えて欲しいのが「コンバージョン(以下CV)」である。
CVとは施設でいえば「直販数」のことである。
CVを伸ばすための改善は、施設ごとに異なるのだが、例えば訪問者数が少ないのであれば、前回紹介したSEO対策やリスティング広告を活用して、訪問者を増やすことから初めて欲しい。
また、訪問者数は多いのにCVが少ない場合は、ライバル施設に逃げられているか、ネットエージェントに戻って予約している可能性が考えられる。
思わずクリックしたくなる魅力的なプランなどを用意して、申込みまでの導線を作ってみてはいかがだろうか。
GAには「ユーザーフロー」という、どのページを見て回ったか、どのページで離脱したかまでを記録している項目がある。
このようなデータを活用して、直販を伸ばすための改善策を練って欲しい。
今回の連載がネットエージェントに頼らない、直販できる施設になるための第一歩になれば幸いである。
| 2012年10月17日|
第二回では直販するための「更新・運用方法」をご紹介した。
ライバルに差をつけるエッセンスを凝縮させたので、見逃した方は是非さかのぼってご覧頂きたい。
第三回となる今回は「直販するためのSEO対策・リスティング広告の出稿」についてご紹介したい。
CMSを導入し、HPの更新が簡単になったことで、魅力的なプランや、有益な情報をこまめに更新したとしても、お客様に見てもらえないのでは何もしないのと一緒である。
一人でも多くのお客様に見てもらえるようにするには、SEO対策やリスティング広告への出稿がとても有効な手段といえる。
まずは「SEO対策」についてだが、実は最近、特に複雑化してきているのである。
その道のプロでも頭を悩ませている現状ではあるが、ポイントだけを押えれば、ある一定の効果は望めるはずだ。
ここではSEO対策の第一歩となる重要なポイントだけに絞り、シンプルに捉えていこう。
検索エンジンは3つの要素で構成されている。
「クローラー」「インデックス」「ランク付け」である。
クローラーとはウェブ上を常に駆け巡っているロボットのことである。
定期的にHPに訪れることで新しい情報を入手し、独自のデータベースに格納していく。
この行為がインデックスである。
仕入れたインデックスの情報を元に、ユーザにとって有益であるかどうかを評価してランク付けを決定しているのである。
クローラーに巡廻してもらうには、定期的な更新が不可欠である。
またインデックスされるページには、お客様が検索するであろうキーワードを予測し、タイトルや文中に入れることを忘れないようにしたい。
ランク付けは「たくさんのHPにリンクが貼られているか」、「タイトルやページ内にキーワードが含まれているか」が重要視される傾向にある。
リンクを貼ってもらうには、思わず人に紹介したくなるかが重要である。
数組限定の目玉プランやお得なイベント情報などを積極的に公開していきたい。
またプラン名の中にキーワードを盛り込めば、狙ったキーワードで上位表示も狙えるため忘れないようにしたい。
次に「リスティング広告」であるが、これは検索連動型広告とも呼ばれ、クリックされたときにだけ費用が発生するタイプの広告である。
これには大きく分けてグーグルアドワーズとヤフーリスティングの二つがある。
特徴としては、SEO対策とは比べ物にならない即効性がまず挙げられる。
入金した翌日から上位表示することも可能である。
HPからの集客に難航している施設はもちろん、SEO対策と組み合わせて導入を検討したいところだ。
| 2012年10月17日|
前回は自社ホームページ(HP)の「見やすさ・使いやすさ」について「直販」に繋がるポイントを紹介した。
第二回となる今回は「更新・運用」についてのポイントをご紹介したい。
「HPはこまめに更新しなければいけない」と言われるが、これには大きく分けて二つの理由がある。
ひとつは「鮮度のよい情報の提供」である。
魅力的な施設を見つけても、情報が全く更新されてなければ、それだけで評価はガタ落ちである。
せめて直近のイベント情報や近隣の見どころくらいはタイムリーに閲覧できるようにしておいて欲しい。
ふたつめの理由は「検索エンジンへのアピール」である。
検索エンジンはHPの更新頻度により、巡廻に訪れる間隔を決める性質がある。
更新頻度を上げればインデックスしてもらいやすくなりSEO的にも有利に働くのだ。
とはいえ、やみくもに更新すればよいというものではない。
テーマをしっかりと決めておくことが最も大切なのだ。
テーマを良し悪しは「お客様にとって有益な情報」であるかどうかである。
例えば施設の近隣にゴルフ場が数多くあったとしよう。
お客様の中にはゴルフ場を決めてから宿泊先を決定するケースもある。
これをテーマするならば、どこよりも詳しいゴルフ場の紹介をしてはいかがだろうか。
施設からのアクセスや所要時間はもちろん、コースの攻略方法を掲載しても面白い。
そしてある程度の紹介数が確保できたら「近隣のゴルフ場」としてメニューを作り、ゴルフ場を比較検討できるようにしておくと、お客様にとって有益なコンテンツの出来上がりである。
テーマはひとつである必要はない。
お客様にとって有益な情報であれば、どんな情報でも流入に繋がる可能性があるため、出来るだけ沢山の情報を公開して欲しい。
しかしここで大きな問題があることに気づかれただろうか。
「更新は誰がやるのか」である。
その都度業者に頼んでいては膨大なコストが発生するし、更新には専門的な知識が必要なため、誰でもというわけにはいかない。
そこで「CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)」の登場である。
自社のHPにCMSを導入すれば、ワープロ感覚で簡単に更新が可能になるのだ。
今では「WordPress(ワードプレス)」を代表とするオープンソース(基本的に無料で使える)も選択できるため、導入や運用コストも安価に抑えることができる。
ちょっとした空き時間で誰でも更新できる環境が、今では容易に手に入るのだ。
とはいえ、やることが多いためネットの専任者は確保して欲しい。
HPは更新を続けるほどライバルに差をつけることできる。
CMSの導入がまだのところは一刻も早く検討し専任者を決めて欲しい。
| 2012年10月17日|