力を合わせて!
と提唱することが多い中、ボランティアの世界ではよく見かけるが、実際の経営の現場だとなかなか見られない。
それは、お互いがライバル関係にあり、昔風に言えば商売敵なのだからであろう。
しかし、力を合わせることにより、お互いにとってメリットの多いことはたくさんある。
その中のいくつかを紹介し、力を合わせることを提唱していきたい。
その1、仕入についてである。
例えば、電球とかの消耗品についてである。
ホテル・旅館ではたくさんの電球を使用する。
その電球の交換個数も年間を通して考えるとなかなかの費用がかかる。
ましてや最近のLED電球などは、耐用年数は今までの何倍もの時間に対応しているが、1つの単価が高いためたくさんを仕入れるとなると初期投資の額は大きな額になってしまう。
しかし、いくつかのホテル・旅館で共同で仕入れを行うことにより数が多いため単価自体の値引きも進む。
と同時に、仕入場所を決めておき、その場所に書く施設で取りに行くような形にすれば送料も1回で済みさらにコスト削減ができるのではないだろうか。
さらに、数施設のホテル・旅館が行うことにより、様々な品物について最安値に統一できるというメリットもある。
また、食材に関しても同じようなことが言える。
食事、メインとなるものはそれぞれのホテル・旅館で差別化が必要だが、地域の名物料理や必ず出されるものなどはホテル・旅館によって、味付け、盛り付け等に違いはあるものの食材は同じようなものを仕入れている。
そこで、差別化以前の同じ食材の仕入れの場合は、各ホテル・旅館で個々に仕入れるのではなく、地域地域でまとめて仕入れる。
それにより、やはりコストの大幅な見直しができる可能性がある。
消耗品や事務用品なども同じ発想でコストを下げることができるのではないだろうか。
経営である以上、利益を生まなければいけない。
そのためには、売り上げを伸ばすか、支出を抑えるかの2つしかないのである。
昨今のこの不景気の中、一人勝ちできれば良いのだが、そうではなく、手をつなぐ場面は手をつなぎ、戦うところは戦う。
衣食足りて礼節を知るように、まずはお互いに力をつけスタート地点をそろえ戦うのが良いのではないだろうか。
そのために、時には手を携えて。
| 2012年11月12日|
戦国時代、中国地方を治めていた戦国大名、毛利元就はある日、三人の息子(隆元・元春・隆景)を枕元に呼び寄せ、1本の矢を折るよう命じた。
息子たちが難なくこれを折ると、次は3本の矢束を折るよう命じたが、息子たちは誰も折ることができなかった。
元就は一本では脆い矢も束になれば頑丈になるということを示し、三兄弟の結束を強く訴えかけた…
この話は言わずと知れた有名な毛利元就の『三本の矢』の話である。
日本には昔より、『三人寄れば文殊の知恵』や『鴨も集まって動ずれば雷となる』など、一人では小さなことでも、力を合わせれば大きな力になる。
力を合わせてことにあたるべしという考え方がある。
お互いがお互いを助けあい、相互支援を行うという考え方である。
たとえば、損害保険などの考えがこれにあたる。
このことは今のホテル・旅館業界でも同じことが言えないだろうか。
秋になると、様々な出版社より業界予報が出ているが、どの出版社も国内旅行は曇りか雨となっており、来年も厳しいことがうかがえる。
そんなかに、一つのホテル・旅館で立ち向かうことは困難な場面が大きい。
そこで、近隣といえど、ライバルといえど、手を組むところは手を組んで立ち向かって行こうということを、IKGでは提唱している。
そして、それは今までの団体のような取り組みではなく、もっとコアな取り組みを行うべきであると考えている。
例えば、近隣のホテル・旅館通しで共同の企画を作成し、1泊目、2泊目とお互いで送客しあう形や、名物料理の共同開発から仕入調整などである。
三本の矢の話ではないが、1軒のホテル・旅館ではなかなかできないことも、協力し数の上で行えばできることもあるかもしれない。
そのためには多少影響はあると言えど胸襟を開く必要があるのではないかと考えている。
当IKGではまず、それを47都道府県単位で実施していきたいと考えている。
共有できる情報、相互協力できる部分を積極的に協力し合い、乗り切っていこうと考えている。
余談であるが、お隣中国では『一人では龍になるが、三人寄れば豚になる』といった全く逆の諺がある。
なんとも、文化の違いではあるが、筆者は日本人はやはり三本の矢の精神なのだと考え、信じている。
次回より具体的な手法や考察について触れていきたい。
| 2012年11月12日|
自社のホームページを見たことあるだろうか。
もちろん、様々な場面で、自社のホームページは見ていると思う。
では、ここで視点を変えて考えてみたい。
自社のホームページは、旅行に行きたくなるような、宿泊したくなるような作りになっているだろうか。
同規模のホテル旅館のホームページと比べてどうなのだろうか。
ここで大切な視点は、お客様は様々なホームページを閲覧する中から、当社のホームページに魅力を感じなければ選ばれないということである。
以前にも書いたがホームページから予約するお客は直セールスと同じ扱いになる。
そのため、ホームページに力を入れるということは、必然でると言える。
ここでこのホームページを見直すということ題材に、会社の強み・弱みを分析しようとする例をひとつ紹介します。
まず、すべての従業員を巻き込んで、自社の強み・弱みを考えさせ、紙に書かせ提出してもらう。
そのことにより、従業員が自分のホテル旅館のことをどのようにとらえているかを覗くことができる。
また、自分たちが思っているより、思わぬ強みが発見されることがあるのもポイントである。
そして、できれば同業種、なければ異業種でも構わないが、自分が見て、いいなと思うホームページを挙げてもらう。
もちろん、どんな部分がいいのかということも含めてである。
そして、それぞれの意見を集約しながら、すべての従業員を巻き込んでのリニューアル計画を作成する。
そこには、みんなから集めた強みを、いかにホームページでアピールできるかをみんなで考えながら取り組む。
これにより、会社の強み弱みを考え、分析ができると同時に、良いと思うホームページを考えることにより、一般的な傾向もうかがえる。
当然、消費者目線を持つことができるわけである。
さらに、難しい経営や営業といった部分ではなく誰もがなじみやすいインターネットということより、従業員を巻き込むことができ、従業員の中に経営意識や自身の会社への愛着といったことも期待できる。
最後に一例、ある旅館でアンケートを取ったところ、事前の期待値は『温泉』という回答が圧倒的であったが、宿泊後のアンケートだと『料理』という答えが多かった。
では、なぜ初めから『料理』が期待されていないのか。
それは、チラシやホームページでのアピール不足であり、自身の強みを生かし切れていないからだと考えられる。
| 2012年11月12日|
平成22年の国際観光旅館連盟の調査によると、売店の一人当たりの売上は1,186円、大規模旅館平均は1,531円、小規模旅館に至っては863円という状況である。
では、ここでふと自分に置き換えて考えてみたい。
旅行に行ってお土産を買わないだろうか。
いや実際にはお土産はみんな買うのである。
平成19年、奈良県で行った調査で、旅行客にお土産を買うかどうかたずねると、89%の人が買うと答えている。
それは、自分自身のお土産ではなく、多くは家族や友人、会社の同僚などへのお土産である。
そこで、先ほどの一人当たりの売上と比較してみると、どうも数字が合わない気がする。
つまり、旅行客はお土産は購入するが、多くの旅行客はホテル・旅館ではお土産を購入せず、ドライブインや地元のみやげ物やで購入するのである。
では、陳列されている商品に違いはあるのか。
それはみなが知っているようにほとんどない。
ではなぜホテル・旅館で購入しないのか。
そこに今回の大きなポイントがある。
そこで今回は前回に関連して、みやげ物を扱い館内消費を増やすということを考えていきたい。
まず、見直さなければいけないのが、前回書いた『動線』である。
お土産を購入する時間はいつなのか。
多くはチェックアウトの時であろう。
肝心なのはその場所にみやげ物があるかどうかである。
そして、次に大切なのは、お土産売り場の活気である。
多くの旅館の場合、みやげ物売り場はフロント係が兼務しており、その場所にいないことのほうが多いのではないだろうか。
実際に自分自身が旅行した際に、だれもいない場所で物を購入するだろうか。
なので、忙しい人員配置なのはわかるが、みやげ物が売れる時間に絞って人員を配置する工夫が必要であり、その配置した従業員に活気が求められる。
朝市をやっている旅館が多いが朝市がなぜ売れるのか。
さまざまな理由があるが、そのひとつに活気があるのは間違いない。
お菓子の実演販売を行っている旅館もみやげ物の売上を伸ばしている。
そして、何より大切なのは館内営業である。
簡単に言えば接客係のトークである。
多くの場合、部屋、その旅館の売りのお菓子や漬物を置いている場合が多いが、その説明をできているであろうか。
これが、しているのいないとでは、お土産の売上は大きく変わってくる。
実はこれはみやげ物に限った話ではない。
館内消費を増やし、付帯売上を伸ばすには、動線・活気・従業員トークこれがポイントになってくると思われる。
| 2012年11月12日|