第437回 経営者に最も必要なことは③

 明けましておめでとうございます。

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて今から5年前の2007年、第一次安倍内閣の際に、当時安倍内閣総理大臣の政権構想の中に『美しい国 日本』というものがあった。

 これは安倍内閣が国民とともに目指すものとして掲げ、活力とチャンスと優しさに満ちあふれ、自律の精神を大事にする、世界に開かれた、「美しい国、日本」と定義されている。

 政治的な話はひとまず置いておくとして、この構想自体には総論賛成である。

 では具体的にどういうことなのか。

 今の安倍政権では特別クローズアップされないので、私なりに考えてみた場合、景観や文化などが該当すると思われるが、外国に向けて日本の魅力を発信し、日本人に自国の魅力に誇りをもとうという解釈をしている。

 話は先日12月に日本政策投資銀行から発表された、『アジア8地域・訪日外国人旅行者意向調査』について触れていきたい。

 この調査はアジア8地域、中国、韓国、香港、台湾、タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポールそれぞれ500人にインターネットで、行きたい国と日本の魅力について調査を行った。

 その結果、全体で、行きたい国において日本は首位、地域別に見ても、東南アジア、香港、台湾では首位、政治問題の悪化が問題となっている中国においても、2位で昨年の3位より順位を上げている。

 韓国だけは昨年の13位と比べ17位とランクダウンしてしまった。

 これは政治的な問題が大きく関係していると思われる。

 また、日本の魅力、日本で体験したいことについては、『和食』『景観』『温泉』と人気上位であり、日本旅館についても全体の58%が体験したいと答えており、特に東南アジアにおいては70%近い人が日本旅館を体験したいと答えている。

 この結果より、外国人の特にアジア地域における日本に対してのニーズは非常に高く、潜在需要があると言える、そして、日本に来たいと思っている人の多くが温泉旅館に宿泊して和食を味わいたいと考えていると言えるのではないだろうか。

 さて、経営者に最も必要なことというシリーズで書いているが、今回経営者に最も必要なことの一つとして、『情報』ということを言いたい。

 世の中には情報がたくさん溢れている。

 今やインターネットを通じて簡単にしかも大量に情報を手に入れることができる。

 大事なことはアンテナを高くし、経営者はいち早く情報をキャッチし対応するということである。

 上記のような情報もそうだが、手に入れた情報の中より有益なことを選び、選択し、経営の舵をきる。

 これも経営者に必要なことの1つではないだろうか。