第476回 経営者と従業員
何事においても、その目的をはっきりさせなければ進めない。
例えば、ゴールがどれくらい先かどうかによって長距離なのか、短距離なのか、その距離い合わせて走るペースが変わってくるのは言うまでもない。
それを企業の場合は、経営理念や、経営戦略といった形であらわしている。
しかし、それらの理念や戦略、つまり、その企業の目指すべき姿がそこで働く従業員全員に伝わっているのかとなるとはなはだ疑問である。
そこで、今回は経営者と従業員の違いについて改めて考えていきたい。
まず、大きく違うのがモチベーションの保ち方である。
経営者は会社の利益が上がることに対しモチベーションを高く保つことができるが、従業員は違う。もちろん会社が多くの利益を出す方が気持ちの上で、そして現実的にボーナス面などにおいて従業員も恩恵を受けるのではあるが、基本的には給与、簡単に言えばいくらもらえるのかがモチベーションの大きな違いの部分である。
そのため、会社が儲かっているなどは優先順位としては一番ではないのである。
同様に休みも同じである。
経営者は、休みに関してある意味自由であり、経営状態によっては休むなんて考えられない場面も多々ある。
しかし、従業員側はそうはいかず、どんなんに忙しくても、会社にとって勝負の場面でも、きっちり休むことは休むのである。
それが権利であるのでそこに何の問題もないし、当然の主張である。
これは、もちろん一例の話であって、すべてが前述のような状態ではないのは間違いない。
現に優先順位の一番が仕事で、仕事に対し骨身を惜しまず働くなどといったパターンも多々あるのである。
しかし、現実的な話として、権利や責任が違うということは認識しなければいけない。
そのため経営者と従業員は価値観や考え方が違って当然なのである。
大切なことは、その部分をきっちりお互いに認識するということである。
経営者側は従業員側のことを、従業員側は経営者側のことを理解し、お互いが相手の立場に立って物事を考えることによって、スムーズな組織環境が生まれると考えている。
“チェンジチェアー”、お互いのイスを変えて物事を見ることによって、士会が変わり、相手のことを理解知ることができる。
これも思いやりの一つなのではないだろうか。
思いやりを実践するサービス業では、なおのことであろう。