第477回 顧客満足度と印象
顧客満足度という指標がある。
customer satisfaction(CS)なんて最近では呼ばれるが、いかにお客様が満足していただいたかを指標にしたものである。
ではこの顧客満足度はどのようにして把握すればよいのか、それは単純にアンケートでしかない。
心理的、感情的なものを標準指標において数値化するということは実際問題として難しいからである。
ではこの顧客満足度を高めるためにはどのようにしたらよいかということが問題になる。
もちろん、日ごろから行っているサービス、食事へのこだわり、思いやりの接客など、様々な形でお客様に伝えていく必要があるのだが、大切なことは印象ということである。
印象がよければその旅館自体の評価は向上する。
もちろん、すべてというわけではないが、その印象は第一印象、期待値、そして最後の印象ということになる。
特に『終わりよければすべてよし』『勝ってかぶとの緒を締めよ』など、日本のことわざの中には最後を大切にすることわざがいくつかある。
感情的に考えてみても、最後は心に強く印象として残り、例えば旅行であれば最後の印象が旅行全体の『楽しかった』『つまらなかった』という評価につながるのではないだろうか。
今回はこの印象ということに関して触れていこうと思う。
まずは、第一印象について考えてみたい。
旅館における第一印象はどこであろうか。
よく言われるのが、フロント周りやエントランスということが上げられるが、自分自身が旅行に行くとして考えてみた場合、まずうける印象は、雑誌やホームページではないだろうか。
特にホームページは近年の調査で事前に96%もの人が泊まる旅館のホームページを見てから行くという回答がある。
そう考えた場合、旅館の館内の様子や食事の献立などは、事前にホームページで知っている状態でお客は来るのである。
そのため、視覚に訴える旅館のホームページの写真はその旅館の第一印象を決定付けるとして非常に大切になるのである。
そして、ホームページによってできた第一印象をもってお客は旅館に来るのである。
つまり、初めての人でも、今までよりも詳細な情報をもって、その期待値を持って旅館にくるということになる。
顧客満足度を考える上で大切なことは、その期待値についてである。
次回はこの期待値について掘り下げていきたい。