第482回 口コミについて

 評判が評判を呼ぶ。

 いい評判は伝わるのが遅いが、悪い評判はあっという間に広がる。

 ということは昔はよく言っていた。

 同時に、直接言ってくれる、クレームにはチャンスが多く隠されているなんてことも言っていた。

 しかし、最近ではインターネットの普及により、いい評判も悪い評判も書き込もうと思えばすぐに、しかも世界中に向けて発信されてしまうのである。

 社内で処理されるべきクレームが直接ホテル・旅館に伝わらず、インターネットという媒体を通じて世界中に発信されたと同じタイミングでホテル・旅館側にも伝わるのである。

 率直な感想から言えば、なんとも難しい時代になったと思わざる負えないのだが、時代の変化とともに当然対応しなければいけない。

 では、どのようにしたらよいのかを考えて行きたい。

 まず、行ってほしいことが、レスポンスをなるべく早くするということである。

 通常のクレーム対応と同じになるが、インターネットの場合、こちら側の知らないところで所謂口コミが投稿されている場合が多い。

 そして、インターネットを通じてホテル・旅館を選定している人は必ずと言っていいほど口コミを見ている。

 当然、色々なお客がいるわけだから、評価も千差万別なところもあるため、当然クレームのような投稿もある、それは仕方ないことではある。

 しかし、注意すべきことは、その投稿が常に見られてしまうということなのだ。

 そのために、ホテル・旅館側からしかるべき反応をしめし、ちゃんとお客様のご意見は頂戴しましたという誠意を示すことなのだ。

 そのため、口コミは毎日チェックする必要がある。

 きちんと返信をするということを業務に取り入れる必要があるのである。

 当然、いい評価の口コミに対してもお礼の返信もしなければいけない。

 もう一つは、クレーム等の書き込みの場合は改善のチャンスでもあるということを真摯に受け止めるということである。

 クレームを直接言える人間は多くない。

 もちろんクレームは業務上好ましいものでは無いが、逆転の発想からすれば、弱点やミスを教えてくれるというケースもあるわけであるので、改善の大きなチャンスなのである。

 実際にクレームからオペレーションを変更し、評判がよくなった、サービスの質が上がったなんて話はいくらでもある。

 そのような、改善のチャンスは顔の見えない口コミでは言いやすいのもあってか数多くある。

 チャンスがたくさん落ちていると捉え、改善し、さらにはその改善内容もふくめ返信する。

 そして、お客様の声を真摯に受け止めているという姿勢にもつながるのである。

 時代の潮流は早く、わずか10年前でさえも今とは全く異なっている。

 大切なことは、守ることでもあるが、変化に対し柔軟に変わっていくことも一つなのではないだろうか。