第327回 PDCAはわずか一日のサイクルから
会議で決まった行動計画が実行段階で未達となり、その後あいまいなままになっていくことが多くないだろうか。
そしてこれをいつも繰り返していることに対し、不満足だが仕方がないと言ってあきらめている。
これはPDCA(プラン・ドゥ・チェック・アクション)のサイクルがうまく廻っていないことを示している。
旅館経営のみならず、日常の生活においても、このPDCAがしっかり廻らないと、物事がうまくいかなくなってしまう。
これはいったいどこに原因があるのかを、まずもってはっきりさせることが重要である。
そのためには、行動計画と行動結果を綿密に照合することで大部分が見えてくる。
多くのケースでは、計画を立案したものの、その行動結果については検証が甘いまま、次の課題に取り組んでしまう。
これではまた同じ失敗の繰り返しになってしまう。
計画を細かく手帳やノートに記入する人は多いが、その結果を細かく記録し、そのギャップを検証している人は案外少ない。
実はここがPDCAを向上させる最大のポイントである。
うまくいかなくなるところはいつも同じ場合が多く、それがその人や旅館の癖となっている。
しかもそのことに気づいていないか、あるいは気づいていても放置しているのである。
自分の行動パターンに対してメスを入れることを、多くの人は好まない。
これが根底にあって無意識のうちに、「臭いものにはフタ」をし続けていれば、その結果は本人にいずれまとまって返ってくる。
自分は仕方が無いといってあきらめてしまう行動パターンなのか、自己やわが旅館を進歩させようという意識が高いかどうかは、今日一日の行動を振り返ってみればわかる。
今日一日の行動計画と結果の検証、そして課題の抽出と明日からの具体的改善方法を今日のうちに立てる。
それを踏まえた明日の行動計画を立案する。
この一日のPDCAを意識して行う事からスタートしてみてはどうか。
わずか一日である。
でも一日のPDCAが廻せないのに、長いスパンや大きなテーマのPDCAを向上させるなんて、決して出来るはずがない。