第328回 成功企業七つの法則に照らし合わせて
国のある機関が中小企業五千社を対象に経営実態調査を行った結果、伸びている企業の八割以上に共通する内容があるという話を聞いた。
題して「成功企業七つの法則」というものだそうだ。
一見するとビジネス月刊誌の見出しのようだが、この結果は私見や編集ではなく、あくまでも統計結果であるという。
そしてこれら七つを同時に実行しているところがポイントであるようだ。
第一は明確な「経営理念」を持ち、これを従業員に「見える化」して会議や冊子等を通して浸透させている。
第二は「イノベーション重視」外的環境の変化を敏感に感じ、変化を歓迎し、さらに自らチェンジリーダーになろうとしている。
第三は「付加価値・差別化重視」この価値は購買者、消費者、自分、社会・地域・業界等の四つにわけて、自社が提供する価値をそれぞれ徹底的に考えている。
とりわけ購買者(買う人)と消費者(利用する人)をわけていることに注目すべきだ。
第四は「お客様重視」お客様は誰か?を改めて問い、顧客が購買を決定する際に重視する要素をノウハウ化している。
第五は「人づくり重視」誰にとってもすばらしい職場を創ろうとするのではなく、理念に合う者のみに、すばらしい職場を創ることを目指している。
第六は「計画経営重視」キャッシュフロー・収益性・生産性重視はもちろんだが、計画作成過程において、従業員も参加してビジネスプランを作成し、目標管理を行っている。
そして第七は「地域社会重視」地域の特性を活かしながら、地域以外の客層にも売れる商品を構築している。
また、地域に対する取り組みを通して、企業ブランド向上を展開している。
以上が成功している中小企業の共通する特徴である。
ひとつひとつは目新しい内容はない。
しかしここで注目すべきは経営者自らがこれらの内容を重視し、他社よりもより強固に実践していることである。
わが旅館では、これらの事項がどの程度実践されているかを自己診断し、重点強化すべき内容を検討するのもいいのではないか。
旅館業のエクセレントカンパニーが増えるのは大歓迎だ。