第352回 業務オペレーションを自ら変える
日常業務のオペレーションンが、従来から行われてきた仕組みのままでは、うまく機能しなくなってきているケースが多い。
現場のスタッフも、このままではだめだという意識を持っている。
しかし、長い間実践されてきた仕組みや方法を、現場主導で急にかえることは難しい。
ここは経営者や幹部の出番なのだが、業務全体を客観的に把握している人材は思いのほか少ない。
だから、何をどのように変えていったらよくなるのか明確に判断ができず、結果としてあいかわらず旧態依然としたオペレーションが続いているのである。
このような場合には、業務上の課題とその原因、そして課題解決の方法を現場のスタッフ全員にそれぞれ個々に記述してもらい、一覧表にしている。
この際、直属の上司や経営者をスルーして、第三者であるコンサルに直接原本が届く方法をとっている。
ここで特定の人物に課題がある場合と、オペレーション上の仕組み自体に課題がある場合が出てくるので、これらを仕分けする。
そして一覧表の中から重要な課題だと思われる項目をピックアップする。
ただしこの段階ではあくまでも現場からの声であるため、この現場を第三者が検証する必要がある。
複数のスタッフを選定し、問題となった現場について、時間を追ってだれがどこで何をしているのか?
そしてスタッフ間の業務リレーがある場合、何が問題となっているのかを客観的に見るのである。
それを可視化した結果、やはり課題であると判断した場合には、それを開示し、抜本的な原因の抽出と課題解決の方法を検討する。
オペレーションの方法を変えることだけで解決するものは、どんどん変えていく。
しかしここで厄介なのは、課題の原因に特定の人物が関わっているケースである。
今までは「この人がそもそもの原因だ」といいつつも、いやな思いをしたくないために、不満を抱えながらもそのままにしてきた。
しかし、「この人」はとりあえずおいておき、その人の行動そのものに着目し、それがどのように作用しているかということのみを検証するという方法をとる。
もっとも重要なことは、よりよい旅館を作り上げることであり、その方法は現場の考え方とオペレーションを何としてでも変えることである。