第389回 『三本の矢』の考えで~②購入・仕入
力を合わせて!
と提唱することが多い中、ボランティアの世界ではよく見かけるが、実際の経営の現場だとなかなか見られない。
それは、お互いがライバル関係にあり、昔風に言えば商売敵なのだからであろう。
しかし、力を合わせることにより、お互いにとってメリットの多いことはたくさんある。
その中のいくつかを紹介し、力を合わせることを提唱していきたい。
その1、仕入についてである。
例えば、電球とかの消耗品についてである。
ホテル・旅館ではたくさんの電球を使用する。
その電球の交換個数も年間を通して考えるとなかなかの費用がかかる。
ましてや最近のLED電球などは、耐用年数は今までの何倍もの時間に対応しているが、1つの単価が高いためたくさんを仕入れるとなると初期投資の額は大きな額になってしまう。
しかし、いくつかのホテル・旅館で共同で仕入れを行うことにより数が多いため単価自体の値引きも進む。
と同時に、仕入場所を決めておき、その場所に書く施設で取りに行くような形にすれば送料も1回で済みさらにコスト削減ができるのではないだろうか。
さらに、数施設のホテル・旅館が行うことにより、様々な品物について最安値に統一できるというメリットもある。
また、食材に関しても同じようなことが言える。
食事、メインとなるものはそれぞれのホテル・旅館で差別化が必要だが、地域の名物料理や必ず出されるものなどはホテル・旅館によって、味付け、盛り付け等に違いはあるものの食材は同じようなものを仕入れている。
そこで、差別化以前の同じ食材の仕入れの場合は、各ホテル・旅館で個々に仕入れるのではなく、地域地域でまとめて仕入れる。
それにより、やはりコストの大幅な見直しができる可能性がある。
消耗品や事務用品なども同じ発想でコストを下げることができるのではないだろうか。
経営である以上、利益を生まなければいけない。
そのためには、売り上げを伸ばすか、支出を抑えるかの2つしかないのである。
昨今のこの不景気の中、一人勝ちできれば良いのだが、そうではなく、手をつなぐ場面は手をつなぎ、戦うところは戦う。
衣食足りて礼節を知るように、まずはお互いに力をつけスタート地点をそろえ戦うのが良いのではないだろうか。
そのために、時には手を携えて。