第393回 青森県の取組み②
今回青森県の取り組みとして行った顧客満足度調査のアンケートは、いわゆる通常あるような数字を基にしたアンケートとは違い、宿泊客が自由に記述する箇所が多めになっている。
記述欄が多かったため、宿泊客の生の声を数多く回収できた。
そこで、今回はそのアンケートの取り組みより、何点かご紹介したいと思う。
たとえば、アンケートによって夏休みの宿泊客の客層がわかるようになっている。
それによると、夏のシーズンはほぼ多くの宿泊客が関東より訪れていることがわかった。
そこより、では夏のハイシーズンは関東の宿泊客向けにはどのような魅力をアピールすればいいのか、そして、どのようなサービスが喜ばれているのかを把握でき、戦略を立てることができる。
ある旅館では、事前の期待度は温泉に集中していた。
しかし、宿泊後のアンケートにはもちろん温泉のことも多くとりあがっていたが、一番満足したのは、食事、そして、接客であった。
では、なぜそれが伝わっていないのか。
それは、アンケートより、当旅館を選んだ理由の多くに、チラシやホームページとなっているが、そこに、上記のような満足度を得られた項目は載っていなかった。
そのため、自らの魅力を再認識するとともに、その魅力を認知から周知してもらえる戦略を立てることにより集客につなげるという戦略を立てていくことになる。
また、ある旅館では今までのアンケートで料理の評判がいまいち上がらず悩んでいた。地元のものを取り入れ地域色を色濃く出してみたり、バイキングの中に目の前で揚げる天ぷらを入れたりと工夫したが、評価にはつながらなかった。
そこで、今回の満足度調査のアンケートの中でわかったことは、実は料理の味やレパートリーではなかった。
アンケートの中の声からわかったことは、従業員の声掛けにあった。
せっかくの料理なのに、宿泊客は何を食べているのかわからなかったり、またせっかくの食事なのに、従業員が笑っていなかったりと問題は雰囲気にあることがわかったのだ。
そこで、従業員教育を中心に再度戦略を立てることとした。
このように、今回の青森県の取り組みである、宿泊客満足度調査のアンケートを基に、課題を抽出することができた。
そして、その戦略を基にコンサルティングを実施していく。次回では、そのコンサルティングの例を書いていきたい。