第440回 番外編・成人式に触れ

 先日、成人式のニュースをみていて、ふと思ったのだが、当たり前だが、全員がすでに平成生まれなのである。

 実はこの世代の平成生まれの層には今までとちょっと違った特徴がある。

 団塊の世代、彼らの時代は高度経済成長という時代を経験し、戦後の日本が発展し豊かになっていく時代を経験している。

 そして、その次の世代の団塊jrの世代は、80年代のいわゆるバブルという好景気を経験している。

 ところが、今の平成の世代は、グローバルスタンダードの名のもと、不合理な欧米化が標準化されるゆとり教育の時代であり、そして、何より経済的に特徴なのが生まれた頃より平成の大不況なのである。

 つまり、豊かな時代の経験がなく、幼い時より、経済のニュースでは暗い話が多く、それでいて、生活に必要なものや余暇の選択肢などは非常に多く趣味嗜好が幅広い。

 そのため他のターゲット層より財布のひもが固く、レジャーに関しても決して高級志向ではない。

 そのため、旅行に関しても積極的では無い世代である。

 しかしかといって、『うちは高齢層や夫婦層がターゲットだから関係ない』とは言えないのである。

 いずれは、この世代が消費の中心になってくるからである。

 では、この世代がこれから旅行に対し積極的になっていくにはどのようにしたらよいのであろうか。

 そのためのキーワードとして考えられるのは『体験』である。

 欲しいものはと新成人にアンケートそして、新成人の親にもアンケートをしたところ、新成人の1位はパソコン、以下テレビ、スマートフォンとデジタル物が並び、4位には安定した生活となんとも世代らしい結果になった。

 では親世代はというと、1位は国内旅行、2位安定した生活、3位海外旅行という結果である。

 つまり、親世代は旅行に行きたいのである。

 さて、この結果を踏まえホテル旅館ではどのように対応すべきか。

 例えば、『ままも』という言葉がある。

 これは『ママも一緒に』という今の世代が親と友達のように接し、一緒に出掛けたりすることから誕生した造語なのだが、これより考えるに、『一緒』ということがキーポイントとなってくるであろう。

 要するに、現在20代の世代とその親世代とが一緒に旅行できるようなプラン、商品を作ることが必要なのではないだろうか。

 孫子の兵法の中に、『敵を知り、己を知れば百戦して危うからず』という言葉がある。

 勝負する前には、まず相手を知ることというのは前にお話しした。

 そのために、ターゲットを知り、その動向や特徴を調査し、商品開発を行う。

 10年では変わらないかもしれないが、今後の消費傾向を考えた場合、今の新世代を今のうちからしっかり取り込むよう対策を考える。

 これが、明日の発展の第一歩ではないだろうか。と、成人式のニュースを見て感じた。