第445回 番外編・ソチオリンピックを見て思うこと

 先日テレビの番組で、フランスのパリにおいて、日本の弁当がパリで『BENTO』として大ブームだというニュースを見た。

 そのブームになっているBENTOはフランスっぽく、中身もパンや生ハムやと思いきや、日本における弁当と全く同じように、ご飯が中心で、おかずがあって、そのおかずも日本の弁当と同じように、鶏のから揚げの弁当や焼き肉弁当などである。

 パリの通常のランチよりも安く、手軽で、オフィスでも食べられて、しかも新しいということでパリのフランス人の心をつかみブームになっているとのことだ。

 なんとも、思いもよらないことだが、恥ずかしながら、その発想は私にはなかった。

 しかし、考えてみれば確かにおいしいし、便利だしと納得である。では、なぜ弁当が流行ったのか。

 その答えは日本のアニメーションにあるとのことだ。

 現在、世界中で受け入れられている日本のアニメ、特にフランスでは日本のアニメが非常に人気があるとのこと。

 そして、日本のアニメの中の弁当を食べるシーンがきっかけで、フランスで『BENTO』ブームが起こっているとのこと。

 ここで、言いたいことは、日本の印象というのは外国人はどこから得るのかということである。

 逆の立場に立って考えてみよう。

 我々の持っている普段のアメリカ人の生活のイメージはどこからきているだろうか。

 アメリカで実際に生活をした経験を除いて多くは映画によるものが多いのではないだろうか。

 つまり外国人にとっての日本のイメージもそれと同様に、日本の文化の一つとされている漫画やアニメからの影響が大きいのである。

 さて、2020年には夏季オリンピックが東京で開催されることが決定している。

 昨年は『和食』が世界無形文化遺産に登録された。

 実はラグビーのワールドカップも2019年に日本で開催することが決定している。

 これは日本を世界にアピールできるチャンスなのである。

 フランスでは海外からの観光客数は2012年調べで、約8300万人、アメリカの観光収入は約1,260億ドルそれに比べて日本は2013年にようやく1,000万人を突破したが、収入としては約145億ドルとアメリカの9分の1である。

 私はあえて言うが日本は経済的には先進国なのかもしれないが、観光は世界的に見て発展途上である。

 ここ数年間の日本のアピールこそが、5年後10年後のインバウンドへの大きな布石になるということは言うまでもない。

 観光業全体、いやそれ以上にメディアや今回取り上げた漫画やアニメも含め多角的に日本のアピールに取り組むべきであると、ソチの冬季オリンピックを見てて、ふとそんな気がしたのだ。

 ちなみにではあるが、温泉旅館を題材にしたアニメに『花咲くいろは』というアニメがある。

 石川県湯湧温泉が舞台になっており、外国人向け日本の紹介フリーペーパーにも紹介されている。