第452回 ゴールデンウィークより
ゴールデンウィークを終え、一年で観光業の最大オンシーズンともいえる時期であったわけではあるが、傾向としてはどうだったであろうか。
この原稿を書いている段階では概ね良好ではあったものの、いい時期に比べるとやはり減少傾向にあるように感じられる。
その影響としては、やはり消費税の増税や日程の問題などが挙げられるのであろう。
しかし、それはあくまでも全体の傾向であって、正直ななおかつ偏ったことをいえば、自分のところがもうかればいいのである。
実際に、ホテル・旅館によって、差があるのも事実である。
ということより、傾向としては減少傾向にあるのかもしれないが、その中でも自分のところは満館にしたい、満館になるためにはということを考えて行きたい。
地域で観光客を呼ぶ。
もちろん大切なことである。
そのために、観光資源があるところのホテル・旅館では、地域としてイベント等に取り組み宿泊を狙う。
しかし、これはあくまでも観光資源がある場合である。
問題は観光資源に乏しいといった場合である。
その場合キーとなってくるのが、前回お話しした『差別化』である。
この差別化は徹底的に行った方が効果が高いということは前回で触れた。
そこで、まずは、きっちりとしたターゲットを明確に打ち出し、そこに集中していく戦略を取ることである。
例えば、このゴールデンウィーク等で旅行に出かけた際に、行き場所や宿選びのキーマンは誰であろう。
多くの場合は母や娘、つまり『女性』である。
では、女性がどのようにして旅行に行くかを考えてみる。
もちろん最近では宿選びにインターネットは欠かさない。
しかし、どこに行こうか悩んでいる場合に宿選びから検索をするかと思えば、おそらくはまず観光スポットからであろう。
では、どうすればいいのか。
つまりは需要を喚起させるということである。
旅行をしようと思っている人は観光スポットのから探す。
逆に考えれば、旅行の計画が無い人に、アピールをして旅行をしようという気にさせればいいのである。
もちろん簡単なことではないが、観光といったん関係ない場面でアピールをするということが意外と効果的である。
それは、ファッション誌などである。
普段の日常パターンの中のふとした瞬間にあ、このホテル行きたいと思わせること。
これがニーズ喚起なのである。
もちろんこれは一つの成功例の話である。
旅行を計画していなかった人が、旅行に行こうと決める場合は3月位だという。
このように一つのターゲットを絞って差別化を行ったら、次は行動パターンを把握し、ニーズ喚起に集中する。
こういったマネジメントこそが強みになっていくのではないだろうか。
おそらく多くの旅館が、来てくれさえすればと思っているのだから。