第461回 観光は地域から
国内消費が飽和状態、そして、少子高齢化により人口が減っていく中、マクロで見た場合の消費傾向は、決して前途洋洋というわけにはなかなかいかない。
そこで、消費を別の場所に求める、いわゆる外貨を獲得するということがインバウンドの狙いの一つなのだが、これは地方自治体単位でも同じことが言えるのではないかと考えている。
例えば、市町村の商店街とかを中心に考えてみた場合、商店街を活性化させるためにということで、各商店街で様々な工夫を行っているが、問題はその周辺の消費人口である。
例えば、人口の多い東京の商店と、人口の少ない商店の一日の買い物客には大きな差があり、当然得られる収入も変わってくる。
そのため、各市町村や地方自治体では人口の流出を抑え、流入を増やすべく行政サービスを展開したりとアピールを行っているが、なかなかすぐに効果が出るものでは無いのが正直なところである。
長期的な視点に立てばこそ、人口の増加より消費の増加を狙うということで問題はないのであるが、短期的な視点に立つとそのように悠長に構えてられないという意見が多い。
そこで、短期的に消費を増やすためには、どうすればよいか、それは、消費人口以外の消費者に消費してもらうことである。
極端な話、人口の多い地域の人がわざわざ地方で消費をする流れを作ればよいのである。
そのための施策として最も有効なことが『観光』ではないだろうか。
観光に力を入れ、地元に住んでいる人以外の人を流入する。
人口は増えないかもしれないが、その観光で来た人たちがそこで、物を買ったり、食事をしたり、交通機関を利用したりと様々な場面で消費を行う。
それにより地域にお金の流れができるのである。
一時的なものかもしれないが、観光に力を入れることにより、地方経済を活性化させるモデルができるのではないだろうか。
だからこそ、声を大にして言いたいことは、『観光は地域から』である。
個々のホテル・旅館がどんなに努力をしても、効果を考えた場合、より大きな力で観光に関しての努力をすること、そのためには、地元観光協会が、もっと言えば地方自治体が力を入れてこその観光事業である。
アベノミクスの影響の成果はさておき、お金が回りだすであろうこれからの時代、いかに収益を上げるか、それは観光という切り口にいかに早く取り組むかではないだろうか。
そして、それが結果として、地域経済の発展、雇用の創出につながっていくのだと考えている。