第三回では、HPに見込み客を連れて来るための「SEO対策・リスティング広告」についてご紹介した。
「いま一度ホームページを見直す」をテーマにした最終回となる第四回は「アクセス解析を使った現状の把握と今後の改善」についてご紹介したい。
すでにアクセス解析を導入されているところは少なくないと思われが、集客にうまく活用できているだろうか。
「アクセス解析」とはHPの現状や改善点を把握するうえで必須のツールである。
単にホームページに訪れた人の数を示すだけでなく、どこからHPに辿り着いたのか、どんなキーワードを検索エンジンに入力してHPを見つけたのか、HP内のどのページを見て回ったのか、初めて来たのかリピーターなのか、パソコン見たのか携帯なのかなど、様々な情報を正確に数値化して記録してくれる素晴らしいツールなのだ。
アクセス解析の代表格としては「GoogleAnalytics(グーグルアナリティクス:以下GA)」が有名である。
これほど多機能なのにも関わらず、無料で利用できるところも人気の理由である。
GAの導入はとても簡単だ。
無料のアカウントを登録後、発行されるタグをHPの全ページに貼り付ければ準備完了である。
後は自動的にアクセス状況を記録してくれるため、インターネットの環境さえあれば、いつでも閲覧が可能になる。
GAにはたくさんのメニューが存在するが、日頃からチェックしておきたい項目は限られているため、すぐに慣れるだろう。
GAを導入して一定のデータが集まってきたら、今後の改善についても検討したい。
ここで覚えて欲しいのが「コンバージョン(以下CV)」である。
CVとは施設でいえば「直販数」のことである。
CVを伸ばすための改善は、施設ごとに異なるのだが、例えば訪問者数が少ないのであれば、前回紹介したSEO対策やリスティング広告を活用して、訪問者を増やすことから初めて欲しい。
また、訪問者数は多いのにCVが少ない場合は、ライバル施設に逃げられているか、ネットエージェントに戻って予約している可能性が考えられる。
思わずクリックしたくなる魅力的なプランなどを用意して、申込みまでの導線を作ってみてはいかがだろうか。
GAには「ユーザーフロー」という、どのページを見て回ったか、どのページで離脱したかまでを記録している項目がある。
このようなデータを活用して、直販を伸ばすための改善策を練って欲しい。
今回の連載がネットエージェントに頼らない、直販できる施設になるための第一歩になれば幸いである。
| 2012年10月17日|
第二回では直販するための「更新・運用方法」をご紹介した。
ライバルに差をつけるエッセンスを凝縮させたので、見逃した方は是非さかのぼってご覧頂きたい。
第三回となる今回は「直販するためのSEO対策・リスティング広告の出稿」についてご紹介したい。
CMSを導入し、HPの更新が簡単になったことで、魅力的なプランや、有益な情報をこまめに更新したとしても、お客様に見てもらえないのでは何もしないのと一緒である。
一人でも多くのお客様に見てもらえるようにするには、SEO対策やリスティング広告への出稿がとても有効な手段といえる。
まずは「SEO対策」についてだが、実は最近、特に複雑化してきているのである。
その道のプロでも頭を悩ませている現状ではあるが、ポイントだけを押えれば、ある一定の効果は望めるはずだ。
ここではSEO対策の第一歩となる重要なポイントだけに絞り、シンプルに捉えていこう。
検索エンジンは3つの要素で構成されている。
「クローラー」「インデックス」「ランク付け」である。
クローラーとはウェブ上を常に駆け巡っているロボットのことである。
定期的にHPに訪れることで新しい情報を入手し、独自のデータベースに格納していく。
この行為がインデックスである。
仕入れたインデックスの情報を元に、ユーザにとって有益であるかどうかを評価してランク付けを決定しているのである。
クローラーに巡廻してもらうには、定期的な更新が不可欠である。
またインデックスされるページには、お客様が検索するであろうキーワードを予測し、タイトルや文中に入れることを忘れないようにしたい。
ランク付けは「たくさんのHPにリンクが貼られているか」、「タイトルやページ内にキーワードが含まれているか」が重要視される傾向にある。
リンクを貼ってもらうには、思わず人に紹介したくなるかが重要である。
数組限定の目玉プランやお得なイベント情報などを積極的に公開していきたい。
またプラン名の中にキーワードを盛り込めば、狙ったキーワードで上位表示も狙えるため忘れないようにしたい。
次に「リスティング広告」であるが、これは検索連動型広告とも呼ばれ、クリックされたときにだけ費用が発生するタイプの広告である。
これには大きく分けてグーグルアドワーズとヤフーリスティングの二つがある。
特徴としては、SEO対策とは比べ物にならない即効性がまず挙げられる。
入金した翌日から上位表示することも可能である。
HPからの集客に難航している施設はもちろん、SEO対策と組み合わせて導入を検討したいところだ。
| 2012年10月17日|
前回は自社ホームページ(HP)の「見やすさ・使いやすさ」について「直販」に繋がるポイントを紹介した。
第二回となる今回は「更新・運用」についてのポイントをご紹介したい。
「HPはこまめに更新しなければいけない」と言われるが、これには大きく分けて二つの理由がある。
ひとつは「鮮度のよい情報の提供」である。
魅力的な施設を見つけても、情報が全く更新されてなければ、それだけで評価はガタ落ちである。
せめて直近のイベント情報や近隣の見どころくらいはタイムリーに閲覧できるようにしておいて欲しい。
ふたつめの理由は「検索エンジンへのアピール」である。
検索エンジンはHPの更新頻度により、巡廻に訪れる間隔を決める性質がある。
更新頻度を上げればインデックスしてもらいやすくなりSEO的にも有利に働くのだ。
とはいえ、やみくもに更新すればよいというものではない。
テーマをしっかりと決めておくことが最も大切なのだ。
テーマを良し悪しは「お客様にとって有益な情報」であるかどうかである。
例えば施設の近隣にゴルフ場が数多くあったとしよう。
お客様の中にはゴルフ場を決めてから宿泊先を決定するケースもある。
これをテーマするならば、どこよりも詳しいゴルフ場の紹介をしてはいかがだろうか。
施設からのアクセスや所要時間はもちろん、コースの攻略方法を掲載しても面白い。
そしてある程度の紹介数が確保できたら「近隣のゴルフ場」としてメニューを作り、ゴルフ場を比較検討できるようにしておくと、お客様にとって有益なコンテンツの出来上がりである。
テーマはひとつである必要はない。
お客様にとって有益な情報であれば、どんな情報でも流入に繋がる可能性があるため、出来るだけ沢山の情報を公開して欲しい。
しかしここで大きな問題があることに気づかれただろうか。
「更新は誰がやるのか」である。
その都度業者に頼んでいては膨大なコストが発生するし、更新には専門的な知識が必要なため、誰でもというわけにはいかない。
そこで「CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)」の登場である。
自社のHPにCMSを導入すれば、ワープロ感覚で簡単に更新が可能になるのだ。
今では「WordPress(ワードプレス)」を代表とするオープンソース(基本的に無料で使える)も選択できるため、導入や運用コストも安価に抑えることができる。
ちょっとした空き時間で誰でも更新できる環境が、今では容易に手に入るのだ。
とはいえ、やることが多いためネットの専任者は確保して欲しい。
HPは更新を続けるほどライバルに差をつけることできる。
CMSの導入がまだのところは一刻も早く検討し専任者を決めて欲しい。
| 2012年10月17日|
インターネットが普及して十数年。
今や旅館やホテルでホームページを持たないところを探すほうが大変といっても過言ではないだろう。
しかし集客にうまく活用できているホームページを持つ施設はどれだけあるのだろうか。
自社でホームページを持つ意義はいたってシンプルで、いわゆる「直販するため」である。
ネットエージェントが圧倒的な力を見せる中、直販を伸ばすことは容易ではない。
しかしエージェントへのフィーがいつ値上がるかわからないことを考えれば、いち早く見直しておきたい集客チャネルである。
そこで今回から全四回に分けて直販を伸ばすために必要なポイントをご紹介したい。
第一回は「見やすさ・使いやすさ」についてである。
ホームページへの訪問者は、何らかの情報を入手するために訪れる。
欲しい情報が8秒以内に得られなければ、読み進める価値がないと判断され離脱されてしまう。
そのため「ファーストビュー」には訪問者が欲しい情報や目をとめるための材料を配置する必要があるのだ。
第一印象でまず目に飛び込んでくるのはメインイメージである。
自慢のお部屋や料理の写真がこれでもかと言わんばかりに大きく表示されているだろうか。
旅館のホームページは他の業種と性質が異なり、写真一枚で十分に訴求することができる。
逆を言えば、そこがチープだとそれだけで施設を判断されてしまう可能性もある。
せめてこの写真だけは、専門のプロカメラマンに依頼して欲しい。
次に「部屋」「料理」「予約(料金)」などの主要コンテンツへの入り口は、グローバルメニューに配置してどのページからでも閲覧できるように配置する。
訪問者は必ずトップページから入ってくるとは限らないからだ。
検索エンジンは検索窓に入力されたキーワードに最も近いページへと誘導することは周知のことと思われる。
閲覧者がどのページから入ってきてもいいように、全ページ共通のメニューとして、サイトの上部もしくはサイドメニューに配置しよう。
また素早く行動に移せるように大きな連絡先を全ページに共通で表示、予約エンジンも組み入れることを忘れないようにしたい。
最後に忘れてはいけない高齢者への配慮や流行のタッチデバイス対応として、大きなボタン設計もマスト要件である。
いくらデザイン性が高くても「見づらい・押しにくい」では使いにくい印象が先行してしまう。
自社のホームページをタッチデバイス(タブレット等)で見たことがあるだろうか。
使いにくいと感じたら、リニューアルも視野に入れて検討したいところだ。
| 2012年10月17日|
『接客士』という資格がある。
この資格は、私どもがいる熊谷でNPOを中心に活動している資格で、内容は接客マナーについての技術を高めようということである。
基本的接客技術はもちろん、最終的には車いすの方の補助や、盲人の案内等もないように含まれている。
この『接客士』を代表するように、実は日本中でこのような資格や取り組みが数多くみられている。
では、なぜこのような取り組みが行われるのかを考えてみたい。
それは、障害をもってしまった方でも敬遠することなく接客を行い、当たり前のように接することこそ、サービス、いや、ホスピタリティなのだといわれている。
ここに接客の大きなポイントがあるのではないだろうか。
例えば、障害のある方をホテル・旅館でお迎えすると考えた場合、何を準備したらよいかと考えた場合、まず思いつくのが手すり、スロープなどの設備、いわゆるバリアフリーといわれる部分である。
しかし、この建物や設備、ハード面での備えは当然費用もかかり、場所によってはできるできないの問題がある。
では、ハード面が備わっていないと障害のある方をお迎えできないのか。
いや当然そんなことはない。
接客係やフロント、客室係といった従業員を中心に、障害に関する基本的な知識があり、車いすや盲人の補助等を行えれば、ハード面がそろわなくても対応できるのである。
車いすで乗り越えられない段差があっても、段差を何とか無くそうということも必要だが、補助する人間がいれば乗り越えられるのである。
いわばソフト面での対応である。これこそ、サービスの原点だと思う。
この話は何も障害者に限った話ではない。
通常の接客でも当たり前のことなのである。
接客はサービスやホスピタリティと言った形で、様々な形態の方法が議論され、テクニックの話があるが、お客様に対して接客をするうえで大切なことは、言葉や知識ではなく、この相手をもてなすといった『気持ち』が何より大切なのだ。
それは、日本では『おもてなし』という形で表現されている。
この『おもてなし』とは何かと言われれば、辞書等にもさまざまな意見が載っているが、私は相手のことを思う『気持ち』、相手の立場に立って考えることだと思う。
接客の質を上げるときに大切なのは、知識や技術はもちろんであるが、基本はお客様をおもてなすという気持ちの部分。
当たり前のことだが、最近あまり見られなくなっているように感じるため、ここにあえて書かせていただく。
| 2012年10月17日|