① 所得税増税
基礎控除、引き上げ検討=来年度税制改正-政府・与党
政府・与党は16日、2018年度税制改正で焦点となっている所得税改革について、会社員の給与から一定額を差し引く「給与所得控除」を高所得者を中心に縮小する一方、全ての納税者に適用される基礎控除を引き上げる方向で検討に入った。
基礎控除は現在の38万円から10万円程度引き上げ50万円程度にする案などが浮上している。
高所得の会社員は増税となり、会社に所属せずにフリーで働く人などは減税となる見込みだ。雇用形態が多様化する中、会社員に手厚い控除の在り方を見直し、働き方の違いによる格差を縮小するのが狙い。
自民、公明両党は来週から始まるそれぞれの税制調査会で協議し、年末にまとめる18年度税制改正大綱に盛り込むことを目指す。(2017/11/16-22:16)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017111601239&g=eco
一方、高所得の高齢者が、給与と年金で二重の控除を受けていることについては、「若い人に比べたら恵まれた税制になっているのは確か」としつつも、「高齢者の勤労意欲をなくすようなことはできない」と話し、早急な見直しに慎重な姿勢を示した。
宮沢氏はまた、中小・零細企業の円滑な代替わりを促す「事業承継税制」について、18年度から10年間の特例で拡充させる考えを示した。
事業承継税制は、会社の経営者から親族らが事業を引き継ぐ際、発行済み株式総数の3分の2についての納税が猶予される仕組み。
ただ、納税猶予措置を受けるには、後継者が事業を継続後、「5年間平均で雇用の8割以上を維持すること」など複数の条件を満たす必要があり、条件を達成できないと全額の納付を迫られる。
宮沢氏は「10年間で徹底的に世代交代を進める」と述べ、条件の緩和などを検討する考えを示した。【中島和哉】
https://mainichi.jp/articles/20171114/ddm/008/010/133000c
会社員らに対して必要経費を認め収入から一定額を差し引いて税負担を軽くする給与所得控除額は現在、最低65万円。年収に応じて増加し、年収1000万円を超えると220万円で頭打ちとなる。
政府・与党は、この給与所得控除の控除額を年収にかかわらず一律に減らし、上限額の220万円の引き下げも検討する。
この見直しで得られた財源で、全納税者を対象にした基礎控除の控除額を、現行の一律38万円から引き上げる。
会社員の給与所得控除は縮小するが、高所得層以外は基礎控除の控除額の増額を同程度にして、負担増を避けるよう調整する。
働き方の多様化で、企業に属さないものの請負契約などで会社員と同様の働き方をし ている個人が増えている。
ただこれらの人は現在、給与所得控除を受けられず、不公平感が指摘されている。
基礎控除の控除額拡大は、請負契約の個人や低所得層の税負担を軽くするのが狙いだが、負担増となる高所得層の反発も予想される。
https://mainichi.jp/articles/20171115/k00/00m/020/152000c
②たばこ税増税
たばこ税、1本3円の増税で調整 自民税調では慎重論
2017年11月7日19時03分
財務省は、来年度の税制改正で検討しているたばこ増税について、2018年10月から3年程度かけて1本あたり3円増税する案を軸に与党との調整に入った。
現在のたばこ税は1本あたり約12・2円。
販売面の悪影響を避けるため、財務省は18年10月に1本あたり1円引き上げた後、消費税率を引き上げる19年10月の増税は見送り、20年と21年に1円ずつ引き上げる案を検討している。
従来の紙巻きたばこよりも税額が低い加熱式たばこも増税する方針で、年末にまとめる与党税制改正大綱に盛り込みたい考えだ。
たばこ増税が実現すれば、1本あたり3・5円の増税を実施した10年10月以来8年ぶりとなる。1本あたり3円増税すると、1箱(20本)あたり60円の増税で、税収増は年間2千数百億円程度が見込まれる。
小売価格の値上げ幅は、増税幅を上回ることが多く、前回の増税時は主要銘柄で1箱110~140円値上げされた。
ただ、7日に開かれた自民党の税制調査会の非公式幹部会では慎重論が相次いだ。
増税幅や実施時期などをめぐり、調整は難航も予想される。
たばこ増税は、消費増税時に導入する軽減税率で減る税収を補う財源としても有力視されている。
受動喫煙を防ぐ観点からも増税を求める声がある一方、葉タバコ農家や愛煙家からの反発も予想される。
増税がたばこ離れにつながり、税収増が想定を下回る恐れもある。
http://www.asahi.com/articles/ASKC75GXRKC7ULFA020.html
31年10月の消費税増税時に食料品などに適用する軽減税率を導入することで生じる
1兆円規模の税収減の穴埋めに充てる。
来月下旬に始まる与党の税制調査会の議論を踏まえ、30年度与党税制改正大綱に方向性を盛り込む可能性もある。
衆院選での与党の圧勝を受け、政府は週内に経済財政諮問会議や「人づくり革命」の有識者会議を開き、消費税増税分を使った幼児教育無償化の制度設計を始める。
軽減税率による税収の減少分は、低所得者対策の「総合合算制度」の導入見送りで4千億円を充てることが決まっているが、残る6千億円の財源手当てが課題となっている。
たばこ税をめぐっては自民党の宮沢洋一税調会長が税負担が相対的に軽い加熱式たばこの増税方針を表明しており、紙巻きたばこも含めて議論する方向だ。
http://www.sankei.com/economy/news/171025/ecn1710250013-n1.html
*総合合算制度
「低所得者の家計に過重な負担をかけない」観点から、家計全体をトータルに捉えて、個別の制度単位でなく、医療・介護・保育・障害に関する自己負担の合計額に上限を設定する制度。基礎的な消費支出等を踏まえ、負担上限を年収の一定割合とするなど、低所得者に対してきめ細かく設定。
現行の各制度の低所得者向け施策は、それぞれに根拠や背景、歴史的経緯があり、現場の実務も異なる。制度と実務が縦割りとなっている理由と実務を一つに整理できるかが大きな課題である。
民主党政権時代の2012年、3党は消費税率の10%への引き上げと、それを財源にした社会保障の充実などで合意。充実策の一つに、医療・介護・子育て・障害の自己負担に上限を設ける総合合算制度があった。番号制度(マイナンバー制度)の定着を前提とし、4000億円が掛かると見込んでいた。
③観光促進税新設
自民 「観光促進税」出国時に1人1000円徴収で調整
11月16日 5時08分税制改正
自民党は、観光分野の政策に使うため、通称を「観光促進税」とした新たな税を設け、日本を出国する際に、1人当たり1000円徴収することで調整しており、今後税制調査会で、導入時期などの検討を進めることにしています。
観光分野の政策に充てる新たな税金を検討してきた観光庁の検討会は、先に外国人、日本人を問わず、飛行機や船で日本を出国する際に、1人1000円以内の税金をかけるべきだという提言をまとめました。
これを受け、自民党の観光立国調査会は、16日会合を開き、観光振興に充てるとした目的を明確にするため新税の通称を「観光促進税」とし、日本を出国する際の徴収額を1人当たり1000円とするなどとした決議をまとめたい考えです。
そして2020年の東京オリンピック・パラリンピックもにらみ、再来年・2019年1月にも導入するよう党の税制調査会に、検討を求めていく方針です。
自民党税制調査会は、来年度の税制改正論議で、「観光促進税」の具体的な導入時期などの検討を進めることにしています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171116/k10011225051000.html
2017年11月20日
カテゴリー:税理士法人IKG